観戦ガイドは以下の7つに分けて記しました。
このページが、みなさんのゴールボール観戦にお役に立てれば幸いです。
【vol.1】
その① ゴールボールの基礎知識
その② チーム編成
【vol.2】
その③ 試合開始!
その④ ゲーム!
【vol.3】
その⑤ 各種ペナルティー(反則)とインフラクション(違反)
その⑥ エクストラスロー
その⑦ 完結編
その⑤ 各種ペナルティー(反則)とインフラクション(違反)
試合では、どうしてもミスや反則を犯してしまうものです。
今回は反則と違反について書いてみます。
まず、反則にはパーソナルとチームの2種類の反則があり、犯してしまうと、自ゴールを一人で守らなければならず、一機に大ピンチとなります。
まずはパーソナルペナルティー。
☆ハイボール。
これは、ボールを投げた選手がよくやるもので、投げたボールが自陣のチームエリアに一度も触れなかったスローです。
チームエリアは、ゴールラインからチームエリアフロントラインまでの6m×9mのことで、投げたボールは、このエリアに1度は接触しなければなりません!
もう少し厳密に書くと、チームエリアフロントラインはチームエリアに含まれます!
よって、レフェリーはこのチームエリアフロントライン(ハイボールラインとも言う)付近でしゃがんだ姿勢でジャッジします。
☆ロングボール。
これは、投げたボールがチームエリア内に触れた後、次の床面への接触が相手側チームエリアだった場合のスローです。
つまり、正規のスローは、自陣チームエリアとニュートラルエリアに1度ずつ触れなければならないのです。
現代のゴールボールの主流はバウンドボールと言っても言い過ぎではありません!
巧みな選手は、大きく跳ね上がるバウンドボールと、バウンドが低く、スリップするようなバウンドボールを投げ分けます。
観ていても、「こんなに跳ね上がるのか・・・!」と驚くことがあります。
☆アイシェード。
レフェリーに無断でアイシェードに触ったらペナルティーです!
パラリンピックに出場するようなチームはこの反則は犯さないでしょう!
ただ、試合中にボールが顔面に当たり、アイシェードがずれたりすることがあります。
その場合、もちろん勝手に触れば「アイシェードタッチ」です。
このような時は、レフェリーに「アイシェード!」とアピールします。
そのまま流されることもたまにはありますが、そんな時でも勝手に触ってはいけません!
レフェリーがオフィシャルタイムアウトをかけ、肩をコンコンとたたかれたら、
相手コートに背中を向けてアイシェードをなおします。
きちんと装着できたら、また上下左右に顔を向け、「OK!」と言われたら相手側を向きます。
☆ショートボール。
正しく投げられたボールが相手のチームエリアまで達しなかったものです。
これが起こるシチュエーションとしては、残り時間が短くなり、リードしているチームが時間稼ぎのためにスローボールを投げることがあるのですが、この時、予想以上に転がらなかった場合に起きたりします。
☆ノイズ。
攻撃の際、相手側チームに対し、妨害となるような声や音をたてたと判断されたらこのペナルティーがコールされます。
言ってみれば、レフェリーによって判断基準が異なりますのでやっかいなペナルティーです。
☆イリーガルディフェンス。
チームエリア外でディフェンス行為をした場合にコールされます。
現在のルールでは、チームエリアが倍の大きさになっているので、今はほとんど起こらないペナルティーです。
☆ディレイオブゲーム。
遅延行為と判断された時にコールされます。
☆アンスポーツマンライクコンダクト。
「スポーツマンとしてふさわしくない言動」だと判断された場合にコールされます。
試合からの退場や会場からの退場、大会からの除外まであり得ます。
次はチームペナルティーです。
チームペナルティーが宣告されると、相手ベンチは、ペナルティーを犯したチームの3名の出場選手の中からペナルティースローを受ける選手を指名できます。
これは、戦術的にもおもしろいルールです。
☆10(テン)セカンズ。
相手の攻撃を防いだら攻撃に転じるわけですが、これは、守備行為をしてから10秒以内に攻撃を完了しなければならないというルールです。
つまり、相手の攻撃を防いだ選手の身体にボールが触れた(ブロックした)瞬間、
オフィシャル席の10(テン)セカンズタイマーがストップウォッチをスタートさせます。
その後、チームは、パスや移動をしたりしながらボールを投げるのですが、投げられたボールがセンターラインもしくはサイドラインを超えるまでの時間が10秒以内でなければなりません。
ただし、相手の攻撃をブロックしたボールがコート外に出た瞬間、レフェリーは1回ホイッスルを吹いて「ブロックアウト」とコールすると、ゲームタイマーがいったん止まります。
そして、レフェリーまたはゴールジャッジがボールを拾ってコート内に入れ、すかさずホイッスルを1回吹いて「プレイ」とコールしたら再びタイマーが動き始めます。
この“タイマーが止まっている時間”、10(テン)セカンズタイマーもストップウォッチを停めていますので、幻覚に10秒が計測されています。
一言:チームによっては、この10(テン)セカンズを防ぐため、数を数えたりしています。また、この“10秒”は、レフェリーが宣告するオフィシャルタイムアウトや、
ゴールやペナルティーの際にはリセットされますので、リスタートの時は10秒をまるまる使えます。
もう一つ。ペナルティースローの際、ゲームタイマーは止まったままです。
☆イリーガルコーチング。
ラリー中、つまりゲームタイマーが動いている間、ベンチは一切の声や音を出してはいけません!
もちろん、観客にも同じように静寂が求められます。
そもそも、ゴールボールは見えない世界での攻防ですから、試合中は静かにしていなければなりません。よって、レフェリーは試合再開の都度、「クワイエットプリーズ」とコールします!
一言:ゲームタイマーが止まっている時間はベンチからの指示や観客席からの声援ができます!
ちなみに、日本チームがベンチから頻繁に出す3桁もしくは4桁の数字は残り時間を示しています。
☆ノイズ。
パーソナルペナルティーにもありましたが、チームペナルティーとしてもこの規定が定められています。
☆チームディレイオブゲーム。
チームとして犯したと判断される遅延行為です。
具体的には、
ハーフタイム中に選手交代をしたにも関わらず、オフィシャルテーブルに申告するのを忘れた場合。
定められたタイムアウトや選手交代の数を超えてこれらを申告してしまった場合。
選手交代を告げたにもかかわらず、交代選手の準備が遅れた場合などが該当します。
☆チームアンスポーツマンライクコンダクト。
以上がペナルティーの概要ですが、これらのペナルティーを科せられた選手は、一人で自ゴールを守らなければなりません。守る位置は選手によって様々で、ゴールの前で守ってもいいですし、チームエリアフロントライン近くで守ってもかまいません。
ゴール前で守ると、ボールがゴールに届くまでの時間が少し稼げますが、守らなければならない広さが9m近くになります。しかし、チームエリアフロントライン(ハイボールライン)近くで守れば、ボールの体感速度は増しますが、守るエリアは小さくなります。
なお、すべてのペナルティースローにおいて、ペナルティースローを投げた選手またはチームがペナルティーを犯したらどうなると思いますか?
答えは、“ペナルティー返し”を受けることになります!(苦笑)
つまり、そもそものペナルティーを犯したチームからペナルティースローを受けることになります。大どんでん返しです。
最後に、インフラクション(違反)について触れておきます。
ペナルティーではありませんが、以下の行為をしてしまうと攻撃権が相手に移ってしまいます。
☆プリマチュアスロー。
レフェリーの「プレイ!」のホイッスルの前にスローしてしまった場合です。
☆ボールオーバー。
ディフェンスしたボールが大きく跳ねて、センターラインまたはニュートラルエリアのサイドラインを超えたものが該当します。
その⑥ エクストラスロー
最後はエクストラスローです。選手にとっては、ものすごく緊張する場面かもしれません。
オーバータイムが終わっても同点の場合、このエクストラスローで勝敗を決します。
まず、エクストラスローに出場できるのは選手登録された選手ですが、双方の選手数を合わせるため、登録選手数の少ないチームの選手数に合わせます。
コイントスにより、まず攻撃するのか、それとも守備をするのかを決めます。
以降、第1番目の選手からコートに入り、トスで攻撃を選んだチームからスローをし、互いに攻撃と守備を1回ずつ行います。
第2番目の選手は、先ほど、先に守備をしたチームからスローをします。
こうして選手全員がエクストラスローを終え、多く得点したチームが勝者となります。
なお、同点で終わった場合は、サドンデスエクストラスローに移行します。
再び、攻撃からか、守備からかを決めるコイントスを行い、先ほどと同じ手順でエクストラスローを行いますが、得点差がついた瞬間に勝敗が決まります。
以上で競技の基本やペナルティー等についてのややこしい話は終わります。
次回の完結編では、戦う選手の気持ち等について、私目線で書いてみます。
テレビで競技をごらんいただきながら、自らも暗闇の中の格闘家になったような気持ちで観戦いただければ幸いです。
その⑦ 完結編。
完結編では、「私目線」でコートに入っている時のことを書いてみます。
私は、ゴールボール暦29年で国内で最も長くプレイを続けています。
選手として感じてきたことをありのままに書いてみます。
☆試合開始直後の初球は緊張します。
ゴールボールは、プレイがかかった直後。まずは初球をセービングできると「よっし!」と落ち着けます。
若い頃の私はレフトプレイヤーでしたので、守備の意識はそこまで高くはなかったと思いますが、今はセンターに入ることがほとんどですので、相手のスローが左右どちらにくるのか・・・?とか、バウンドだろうか・・・?ということが緊張感を高めます。
守備の大原則は、左右の選手はサイドライン側にきたスローに対しては手からセービングします!しかし、センターは左右どちらにくるかがわからないので、手からでも、足からでもセービングにいけるように構えています。
☆自分の守備の特徴を理解する。
つまり、苦手なコースを認識しておくと言うことです。
今の私は、足からのセービングの方に自信があります!というか、手からのセービングで脇の下を抜かれる場面が増えました。(汗)
よって、例えば相手のライトの選手(私から見たら左側の選手)がスローする時は、半歩だけ左に寄り、左側へ足からセービングにいけるような市制を取ります。
逆の場合は、右側に足からセービングできるような姿勢に変えます。
また、バウンドボールが多いチームの場合は、少しだけポジションを下げます。
バウンドの“山”に入ってしまうリスクを少しでも低くしたいためです。
☆速攻は、スローした選手の足元に投げ返せ!
スローした選手のポジションに投げ返せ!ということはずーっと前から思っています。
それは、自らの守備位置に戻るまでの時間が必要になるからです。
現代ゴールボールでは移動攻撃は当たり前!になってきているので、投げた選手の特定ができれば、速攻は有利にはたらくはずです。
☆ペースを変える。
単調なラリーの繰り返しでは、なかなか点数が入りません!
ボールのスピードだけでなく、バウンドボールの投げ分けや速攻を使う、スローに角度をつける等々、
また、ベンチワークとしてタイムアウトやサブスティテューションを入れることで、“流れを切る”ことも必要になります。
☆ゴールの“狙い目”を作るための意識付け。
体格の大きな選手たちが手足を伸ばして寝っ転がれば、ゴールの隙間は小さくなります。
バウンドボールの“山”に入れば、選手の体を乗り越えるゴールもありますが、それよりも4カ所の隙間を作るための組織立った攻撃も重要です。
4カ所の隙間とは・・・、
左右のゴールポスト際と、センタープレイヤーの両サイドです。
この4カ所の隙間を作るようなチーム攻撃が一つのカギにもなります。
例えば、両ゴールポスト際をしつこく攻め続ければ、両サイドの選手は少しずつサイドライン側に引っ張られます。
すると、センタープレイヤーとの間が少し広がることになります。
一言:日本は、幅9mのゴールを1m×9個のブロックに分けて練習しています。
ゴールの右ゴールポストをゼロとし、そこから1mごとに1、2、3・・・と進み、左ゴールポストが9となります。
つまり、上述の“四つの隙間”は、ゼロ、3、6、9番となります。
また、投げるコースもこの番号を使って表現しています。
例えば、右ポスト際から相手右ポスト際(対角線)のコースは「ゼロからゼロ」と表現しています。
また、右ポスト際からサイドラインに沿って、相手の左ポスト際へのストレートは「ゼロから9番」となります。
☆ペナルティースローは確実に得点せよ!
強いチームのペナルティースローは9割ぐらいの確立でゴールマウス内にコントロールされます!そして、そのうちの8割近い確率でゴールを決めます!
ペナルティースローを託された選手は、まずは強いボールを投げ込むことが重要です!
受ける選手が最もイヤなのは強くて早いボールです。
また、現代ゴールボールでは、ペナルティースローを受ける選手がチームエリアフロントライン(ハイボールライン)付近まで上がることが多いように思います。私も上がることが多くあります。
ボールの体感スピードは増しますが、コースを絞り込みやすいのです。
☆いろんな“音”に注目!
今大会は無観客で行われますので、選手たちにとっては好条件ですが、音をサーチしやすい半面、音を消す!ということが重要なポイントになるでしょう。
そのため、攻撃の際に床を手や足でたたいたり、大きな声をあげたりして、ボールのありかを隠す行為がよくみられることでしょう。
長くやり続けるとノイズという反則になるので、その辺はうまくやるはずです。
音を出さない!ということと、余計な音で肝心な音を隠す!
これがゴールボールの最もおもしろいかけひきです!
それでは、いよいよ25日から戦いが始まります!
日本女子の初戦は、リオパラチャンピオンのトルコです。
男子はアフリカ代表のアルジェリアです。
先制点を取り、日本チームの特徴を生かしながら勝利を目指してください!
近くに行けませんが、心から応援しています!
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